まんが日本昔ばなし怖い話ランキング10!トラウマ動画名作一覧

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『まんが日本昔ばなし』といえば、一定の年齢以上の方には言わずと知れた、日本各地の民話を題材に取った名作長寿アニメ動画番組でした。

途中、制作局を転々としながら、いくらかのブランクもありながらの1975年1月7日から1994年9月24日までの19年とおよそ9か月、のち、デジタルリマスター版の放送や、厳選した話のリピート放送(再放送)も行われ、かつての視聴者からの強い要望に応えて、まんが日本昔ばなしの動画の一部がDVD-BOXで全集として販売されました。

28年余で放映されたまんが日本昔ばなしの話数は、実に1470作品に上ります。(データベース化している有志の方もいらっしゃいます)

まんが日本昔ばなしの声優は、役と語り(ナレーション)のすべてを常田富士男さんと市原悦子さんのふたりで演じ分けて行っています。

今回は、少し涼し~く感じていただけるように、まんが日本昔ばなし1470話の中から、選りすぐって、10話のトラウマになるような名作の「怖い話」をご紹介したいと思います。
 


 

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「怖い」ということはどういうことか

 
怖い

皆さんはどういうお話を「怖い」と思いますか?

幽霊が出てくる話? 妖怪が出てくる話?

たとえばですが、自分の身内の幽霊が出たとしたら怖いですか?

もしも恋愛中に恋人を亡くしたら、『ゴースト』のようにロマンチックに恋人の幽霊と対峙できる?さて、どうでしょうか。

心理学では「怖い」という気持ちは、「不安」に拠るものと説明されます。不安ということは、つまり、「自分にとって未知のもの」「理解を超えるもの」に対して感じる感情なのだそうです。

なぜ、この幽霊が私のところに出てきたのか。

この妖怪はいつまで私を追いかけてくるのか。

どうしてこんなことになるのか。

それが「怖い」感情を生み出すのだということです。



小説家・京極夏彦氏の京極堂シリーズの中の名セリフで「この世の中に不思議なものなど何もないのだよ」というセリフがあります。
 

 
「不思議」もまた、「理解を超えるもの、未知のもの」に対して使われる言葉ですね。

そして、「不思議」と同様、「不条理」、つまり「何が何やらわけわからーん」というそこに意味すら見出せないことが起きるのもまた、人にとっては「怖い」状況を作るものです。

まんが日本昔ばなしには、お化けや妖怪に追いかけられたり苦しめられたりする話緒たくさんありますが、たとえば、「これこれしてはいけない」と言われていながら禁を犯してしまったときに苦しめられるお話は、ある意味、筋が通っているのかな、と思ったりもします。

ですので、今回ご紹介するお話は、どれも、「不思議で」「不条理に」怖いと感じる、と思ったお話をご紹介したいと思います。

なお、1470回の間には、同じ題材で複数回制作された作品がありますので、同じタイトルあるいは類似タイトルのお話については、制作情報は複数話分、掲載してあります。
 

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怖い話:第10位 『おいてけ堀』 東京のお話

 

おいてけ堀

おいてけ堀


 
①放送日:1976年7月3日
演出:石黒昇 文芸:境のぶひろ 美術:下道文治 作画:高橋信也
②放送日:1991年6月1日
演出:前田こうせい 文芸:沖島勲 美術:門屋達郎 作画:前田こうせい
 

『おいてけ堀』のあらすじ

あるところに、夜釣りをすると「おいてけぇ~ おいてけぇ~」と声がするという堀がありました。

男は、そんな声は怖くない、と夜釣りをして帰ろうとしますが、噂どおり、「おいてけぇ~」と後ろから声が追いかけてきます。

怖くなった男は走って逃げ、ようやく声が聞こえなくなったところで、ひとりの女に会い、「魚を売ってくれ」と言われます。

しかし、おいてけ堀で魚を釣って放り出さずに帰ってきたと自慢したい男は、魚は売らないと拒みます。

すると、「これでもかい?」と女が顔をつるりと撫で・・・。
 

『おいてけ堀』の感想と解説

やっと逃げ切ったと思ったら、なんとそこで出会った女が実は(もっと?)「怖い」もの、という。

女だけでなく、このあと、男は次々怖いものに出くわします。

この「逃げても逃げても怖い」というのは、本当に怖いですよね。
 
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怖い話:第9位 『片ひたのわらじ』 山形のお話

 

片ひたのわらじ

片ひたのわらじ


 
放送日:1984年8月25日
演出:大竹伸一 文芸:沖島勲 美術:大竹伸一 作画:大竹伸一
 

『片ひたのわらじ』のあらすじ

馬で荷物を運んで賃金を儲ける馬方という仕事をしている男がおりました。

馬方は毎日歩くので、毎日草鞋を履きつぶします。

ですので、毎晩、仕事から帰ると草鞋を編むのですが、その夜はどうにも眠くて眠くて、片方だけしか草鞋が編めずに寝てしまいました。

翌日、片方だけでは役に立たないので、片方の草鞋を家に置いて仕事に出ていくと、帰り道で「馬方ぁ~、待ってろぉ~」と不気味な声とともに化け物が追いかけてきます。

馬方は慌てて逃げて、途中、一軒の空き家に逃げ込みますが、なんと、化け物は空き家へ入ってきてしまいました。

梁の上に隠れた馬方を見つけられず、化け物は囲炉裏で餅を焼き始めますがそのうち眠りこけて・・・。
 

『片ひたのわらじ』の感想と解説

これも「追いかけられ系」のお話ですが、題名からお察しのとおり、化け物の正体は片方だけしか作られなかった草鞋なんですね。ですが、これがなぜ、馬方を追いかけてくるのかがわからない、ここが「怖い」。
 
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怖い話:第8位 『お月さん、金の鎖』 ある所のお話

 

お月さん、金の鎖

お月さん、金の鎖


 
放送日:1977年3月19日
演出:芝山努 文芸:沖島勲 美術:芝山努 作画:芝山努
 

『お月さん、金の鎖』のあらすじ

母親と3人の子が住んでいました。母親は隣村へ仕事に行かなくてはなりません。

子どもたちに「山んばが出るから、絶対に戸を開けてはいけないよ」と言い聞かせて出かけていきました。

ですが、母親は帰り道で山んばに食べられてしまい、子どもたちのところへも山んばがやってきます。

3人は山んばから逃げ出しますが、高い木の上へととうとう追い詰められ・・・。
 

『お月さん、金の鎖』の感想と解説

そもそも「山んば」という存在が、なんなのかがわからない。

大抵は年を取った人間の女ぽい姿形をしているけれども、これが人間なのか、元・人間なのか、それとも別の生き物なのか。昔話の中では「山んば」という生き物として実にすんなり巷間に受け入れられているのですが、正体を考え始めるとあやふやな存在になり、「怖い」ものとなります。

結末、子どもたちは「お月さま」によって山んばの手からは逃れることができるのですが、これって本当にハッピーエンドなのか、どうなのか。

地上にはもう、幼い子どもたちを守り育ててくれる母親がいなくなってしまったわけですから、この結末が子どもたちの幸せを表しているということなのかもしれません。

地上に生きることばかりが幸せではないと考えるべきなのかもしれませんね。

このお話の場所が「ある所」となっているのは、いろんな場所にこのお話のバリエーションがあるからのようです。
 
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怖い話:第7位 『天までとどいた竹の子』 富山のお話

 

天までとどいた竹の子

天までとどいた竹の子


 
放送日:1979年4月21日
演出:こはなわためお 文芸:沖島勲 美術:阿部幸次 作画:前田実
 

『天までとどいた竹の子』のあらすじ

ある日、じいさんとばあさんの家の床下から竹の子が顔を出し、どんどんどんどん天高く伸びていきました。

じいさんが竹の子を登っていってみると、天につき、星の子がじいさんを迎えに来て、じいさんを大きな屋敷へ案内してくれました。

屋敷では美しい姫さまが、ごちそうや踊りで爺さんをもてなしてくれました。

じいさんが家に帰ってきてその話を聞いたばあさん、行ってみたいと言います。

次の日、じいさんはばあさんを袋に入れ、袋を口にくわえて、もう一度竹の子を登り始め・・・。
 

『天までとどいた竹の子』の感想と解説

『お蕎麦のくきはなぜ赤い』という題名を聞いてピンとくる方は多いかもしれません。

この『天までとどいた竹の子』とひとつ前の『お月さん金の鎖』、どちらも『お蕎麦の』の変形バージョンのようです。

『お蕎麦の』と『お月さん』の話はよく似ていて、子どもたちが山んばに追いかけられる話です。

ここでオチをばらしてしまいますが、先の『お月さん』は山んばは最後、まっさかさまに地面に落ちてしまって終わるのですが、地面に落ちた山んばから流れた血で地面から生えている蕎麦の茎の根元が染まる、のが『お蕎麦の』のストーリー。この『天まで』も結末はそこへ行きつきます。

こういうお話を私は「なぜなに系」と勝手に呼んでいますが、ほかに、『海の水はなぜからい』などがありますのでぜひ、そちらも探してみてください。
 
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怖い話:第6位 『牛鬼淵』 三重のお話

 

 
放送日:1978年3月11日
演出:小林三男 文芸:沖島勲 美術:下道一範 作画:矢沢則夫
 

『牛鬼淵』のあらすじ

牛鬼淵というところに、顔が牛、体が鬼という恐ろしい化け物がおりました。

ふたりの木こりがおりまして、ひとりの木こりが商売道具ののこぎりの刃を研いでいると、物陰からなにものかが、何をしているのかと訊いてきます。

木こりの一人が、のこぎりの刃を研いでいると言い、「最後の32枚目の刃は鬼刃と言って、鬼が出たら切るための刃」だと教えると、そのなにものかは去っていきました。

あくる日も、またあくる日も「なにものか」はやってきて同じ質問をしては帰っていきます。

ところがある日、のこぎりの刃がぽっきり折れてしまい、一人を残して、もうひとりの木こりが刃の修理に出かけてしまいます。

いつものように「なにものか」が現れ、残った木こりがのこぎりの刃が折れたと告げると・・・。
 

『牛鬼淵』の感想と解説

この作品は放映時のクレジットに、原案となった物語のところに松谷みよ子さんのお名前が記載されています。

松谷みよ子さんは『モモちゃんとアカネちゃん』シリーズの創作児童文学や、『龍の子太郎』などの昔話に原典を拠る作品を著されました。
 

 
この『モモちゃん』シリーズにも牛鬼が登場しますが、モモちゃんの牛鬼は実にユーモラスで、最後にはモモちゃんのママに叱られて退散してしまいます。

この『牛鬼淵』の牛鬼は恐ろしい役回りですが、こういった牛鬼、あるいは鬼、山んばなど「人に非らぬもの」を時に恐ろしく、時にユーモラスに描くのが昔話なのですね。鬼と仲良くする物語も昔話にはたくさんありますよ。
 
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怖い話:第5位 『爺さん、おるかい』 広島のお話

 

爺さん、おるかい

爺さん、おるかい


 
放送日:1984年1月7日
演出:芝山努 文芸:沖島勲 美術:門野真理子 作画:飯口悦子
 

『爺さん、おるかい』のあらすじ

峠の茶店を仲良く切り盛りしていた爺さんと婆さんの夫婦がおりました。

婆さんは「私が死んでも、お棺に入れて押し入れに入れといてください。

爺さんと離れたくないから」と言います。

そして婆さんがふとした病で亡くなると、爺さんは婆さんの言うとおりにしてやりました。

ところが、夜な夜な、お棺がしまってある押し入れからは「爺さん、おるかい」という婆さんの声が聞こえてきます。

たまらなくなった爺さんは茶店の家から逃げ出しますが・・・。
 

『爺さん、おるかい』の感想と解説

火葬もせず、土葬もしないで押し入れにご遺体の入った棺がある。

このシチュエーションが怖いのは、ご遺体が辿る有機物の分解の過程が容易に想像できるゆえの恐怖なのですが、そこは置いておいて、亡くなった方がいつまでも「そこにいるかい」と訊いてくるという不思議への恐怖。

そしてその声は、問題の押し入れを離れても自分を追いかけてくるという不思議。

やはりこの「理屈では説明できない」ということへの恐ろしさは限りがないものですね。

でもどうぞ最後までこの作品を見てみてください。

この恐怖をとってもユーモラスに描き、最後にはハッピーエンドが待っていますよ。
 
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怖い話:第4位 『子取り』 大分のお話

 

子取り

子取り


 
放送日:1988年8月13日
演出:芝山努 文芸:沖島勲 美術:亀谷三良 作画:山崎隆
 

『子取り』のあらすじ

若い夫婦と2歳の男の子が住んでおりました。

ところが亭主は博打ばっかりやって、ちっとも働かないもので、日ごとの食べるものにも困る始末です。

今日も今日とて、亭主は自分の父親に金の無心にいきました。

その間に、残された母と子は、泣きどおしの子に母がつい、いらいらして当たってしまいます。

「そんなに泣いたら、子取りに取らせるぞ」そう言ったとたん、部屋の壁からぬうっと・・・。
 

『子取り』の感想と解説

「泣く子はいねえがぁ」というのは秋田のなまはげで有名ですが、これもまた、全国に残る、子どもたちへの戒めを説いて訊かせるための逸話のひとつですね。

「いうことを聞かないと怖い目に遭うよ」と子どもたちに言うことを聞かせるためのお話は、幼いころは、ただ泣き止ませるための恐怖の押し付けのように聞こえますが、次第に成長していく子供たちに手を変え品を変え、「用心する」ことを教えるためのツールとなっていきます。

つまりこの話で言えば、「泣いたら子取りが来るよ」が本筋ではなく、しっかり働かないと食うことに困るよ、が本筋です。

人間、真正面からずばりと正論を戒められてもなかなか素直に言うことが聞けないもの。

それをちょっと捻って、違う視点から語るのも昔話の面白い手法です。
 
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怖い話:第3位 『船幽霊』 岡山のお話

 

船幽霊

船幽霊


 
放送日:1976年8月14日
演出:児玉喬夫 文芸:沖島勲 美術:青木稔 作画:スタジオアロー
 

『船幽霊』のあらすじ

漁師町ではお盆には迎え火をたいて先祖の霊を迎えるため、漁を休みにしなくてはなりません。

この日、漁に出ると、海で死んだ人たちの霊が船幽霊となって船を沈めに来ると言われています。

しかしその禁を破って若者たちが沖へ出てしまいます。

すると、たちまち船の周りに火の玉が押し寄せ、「柄杓をくれぇ~ 柄杓をくれぇ~」と・・・。
 

『船幽霊』の感想と解説

この船幽霊たちの声に負けて柄杓を貸してしまうと、その柄杓で船に水を汲まれてしまい、船が沈められてしまうのが船幽霊です。

れにもやはり各地方で様々なバリエーションが存在し、東京あたりの『佐吉舟』(1980年8月9日放送回)、岡山あたりの『杓島』(1986年11月29日放送回)、高知あたりの『沖の海坊主』(1991年6月8日放送回)などがあります。

『杓島』、『沖の海坊主』では、ちゃんと沈められないための対策も教えてくれています。

いずれも、海へ出る季節、天候への用心、また、漁という生業について、ほどほどを知るということなども教訓のようです。
 
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怖い話:第2位 『耳なし芳一』 山口のお話

 

耳なし芳一

耳なし芳一


 
放送日:1976年7月10日
演出:杉田実 文芸:吉田義昭 美術:馬郡美保子 作画:馬郡美保子
 

『耳なし芳一』のあらすじ

赤間関(今の下関)にある阿弥陀寺と言うお寺に目の見えない芳一というお坊さんがおり、たいそう琵琶が上手との評判でした。

ある日、和尚様がお出かけになった夜、一人残された芳一に琵琶を弾きに来てほしい、と迎えがやってきます。

芳一は手を引かれ身分の貴い方のお屋敷へ連れて来られたようで、平家物語の壇ノ浦の合戦を所望されます。そしてこれから三晩、ここへきて琵琶を弾くようにと言われるのでした。

しかし和尚様は芳一の話を怪しく思い、寺男に後をつけさせます。するとなんと、芳一は安徳天皇のお墓の前で火の玉に囲まれて琵琶を弾いていたとのこと。

これでは明日、最後の三晩めの夜にはきっと芳一は殺されてしまう、そう考えた和尚様は芳一のからだ中に経文を筆書きし、「迎えが来ても声を出してはならない」と言い聞かせ・・・。
 

『耳なし芳一』の感想と解説

多くの方がご存知のお話かと思います。

島根県に住んだことでも有名なラフカディオ・ハーン、日本名・小泉八雲が著した『怪談』の中にも書かれています。

子どもながらに、「見えなければ芳一は亡霊が怖くないのだろうか」と思ったこと。

物語では、芳一の心境が語られているものがあまりなかったように思います。

概ね、泡を食って恐れているのは寺男であり、和尚なのです。

そうなると、読んでいても意外と亡霊への恐れはなく、一概に怖かったところは、耳を引きちぎられてしまう「痛みへの恐怖」だったように思います。

大怪我だったと思いますが、芳一はその後も琵琶の名手として名を馳せたように描かれていますし、やはり、両の耳を亡霊が引っ張っていくところが一番怖かったですね。

面白いエピソードとしては、映画『コナン・ザ・グレート』(1982年ユニバーサル・ピクチャーズ/主演:アーノルド・シュワルツェネッガー)の中で、主人公のコナンが全身に呪文を書いて死神から逃れ、復活を果たすシーンは、この耳なし芳一をヒントにしたとのこと。
 

 
ファンタジー小説にも、体中にルーン文字を描いて、脅威から逃れるというエピソードを読んだ記憶がありますので、もしかすると、それらも耳なし芳一が原典かも!?
 
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怖い話:第1位 『飯降山』 福井のお話

 

飯降山

飯降山


 
放送日:1994年8月27日
演出:いがらしみきお 文芸:いがらしみきお 美術:小出英男 作画:柏木郷子
 

『飯降山』のあらすじ

三人の尼さんが山で修業をしておりました。山へ入って仕事をする男が時折、尼さんたちに食べるものなどを寄付することもありましたが、大抵は尼さんたちは食べるものにも困っているようでしたが、三人ともけなげに辛い修行を行っておいででした。

こと、一番年かさの尼さんは常に笑顔の尊いお方だと男は見受けておりました。

ところがある日、尼さんたちの前に、天から突然、おにぎりが降ってきます。

天の恵みと思い、三人はありがたくいただきます。

それから毎日3個、おにぎりが降ってくるようになりましたが、おなかをすかせた尼さんたちは、次第にひとり1個のおにぎりでは満足できなくなり、とうとう年かさのふたりは一番若い尼さんのことを・・・。
 

『飯降山』の感想と解説

オチを話せば、一人いなくなればおにぎりは一つ減り、さらに人が減ればおにぎりは・・・というお話でした。

やはりその怖さは、尼さんという聖職者が罪を犯すこと、それがたかが食べ物されど食べ物であること、そして、最後まで消えない尼さんの「笑顔」の意味。

もっとも現代であれば、どこの誰が施してくれたかもわからない食べ物を口にすることのほうが恐ろしいかもしれません。

天から降るおにぎりを、黙って毎日感謝して食べ続けていたなら、その先にこの尼さんたちに何か恐ろしいことが待っていなかった保証もありません。

なお、この回の文芸と演出を担当している「いがらしみきお」は、『ぼのぼの』、『かむろば村へ』などを著した漫画家・いがらしみきおさんです。
 

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さいごに

不思議現象の「怖い」から、理由もなく追い詰められていく「怖い」、そして、「理由はあれども、何かそこには人の心の闇がある「怖い」のような気がする話となり、最後は一番怖いのは人間、というオチで並べてみました。

元来、昔ばなしというものは、民俗的に口から口へと伝えられていく伝承のものであり、そしてその中には、何かしらの「伝えたいこと」が含まれていると考えられます。

それは、戒めであったり、教訓であったりしますが、それをそれと言わないところ、あるいは「言えない」ところにこの口伝の存在の意義がある物です。

例えば第1位としてご紹介した『飯降山』について言えば、尼さんという聖職者に対して、よからぬ疑いを持っては決してならない職種の人物に対して、それでも怪しいことがある。

尼さんという聖らかであるべき人物が、それでも堕ちてしまう闇、俗な言い方をすれば「聖職者とて所詮人間である」ということ、そして「人間の持つ闇は聖職者さえも狂わせることがある」ということ、そういうことを「大きな声では言えませんが・・・」と伝えていくのが「伝承」の役割だったのかと思います。



さて、いろいろな昔ばなしをぜひ見直してみて、その物語が本当に伝えたかったことを探ってみたくなってきましたか?

「実は怖い話」がたくさん見つかるかもしれませんよ。あなただけの「怖い話」、探してみてくださいね。

ちなみに私は、中学生くらいの頃に見た夢がいまだに怖くて忘れられません。

特撮ヒーローの超人バロム1という番組が昔ありましたが、そこに毎話出てくるいろいろな怪獣が総出演で追いかけてくるというものです。ああ、怖かった・・・。
 


 

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