日本の国会を運営する「衆議院」と「参議院」。皆さんはこの衆議院と参議院の違いをご存じでしょうか?
なんとなく何かが違う、そんな漠然とした知識でいらっしゃる方も多いと思います。
今回は「衆議院と参議院の違いは?議席数から信任投票までわかりやすくご紹介」と題して、衆議院と参議院の違いについてまとめてみました。
※一部、項目と項目間で重複している内容がございますが、あらかじめご了承ください。
衆議院と参議院の違いは?
衆議院と参議院の違いを項目別にご紹介いたします。
議席数
衆議院と参議院の議席数の具体的な違いは以下の通りです。
衆議院
議席数: 現在の衆議院の定数は465議席です。これは小選挙区に289議席、比例代表に176議席が割り当てられています。小選挙区の議席数は人口密度や地域の特性によって異なります。
参議院
参議院の定数は、衆議院の半数の252議席に対して、全国を選挙区として設定されています。そのため、地域区の議席数は47都道府県ごとに均等に割り振られ、地域区の定数は各都道府県に応じて1から6議席となります。
全国区から選出される議員の数は定まっておらず、地域区の議席数と全国区の合計が252議席となります。
要するに、衆議院は選挙区ごとに割り振られる議席数が異なる一方、参議院は全国区と地域区の議席数が決まっており、全国区の議席数が変動します。
任期
衆議院と参議院の任期の具体的な違いは以下の通りです。
衆議院
衆議院議員の任期は4年です。衆議院が解散された場合や任期満了により総選挙が行われ、新たな議員が選出されます。
参議院
参議院議員の任期は6年です。参議院では一度に全ての議席が改選されるのではなく、2年ごとに議員の半数が改選されます。
したがって、参議院議員の任期満了による改選は3年ごとに行われます。
選挙方法
衆議院と参議院の選挙方法の具体的な違いは以下の通りです。
衆議院
衆議院議員は、小選挙区比例代表並立制によって選出されます。日本全国を小選挙区に分け、各選挙区から1名の候補者が当選し、残りの議席は政党名簿に基づいて比例代表で配分されます。
有権者は小選挙区で候補者を選出するだけでなく、比例代表にも投票します。
参議院
参議院議員の選挙方法は地域区と全国区の二つの方法によって行われます。
地域区
各都道府県を選挙区とし、地域区から1人以上の候補者が選出されます。有権者はそれぞれの選挙区で候補者に投票します。
全国区
全国を一つの選挙区とし、比例代表制によって選出される議員がいます。有権者は政党名簿に基づいて比例代表に投票します。
権限
衆議院と参議院の権限の具体的な違いは以下の通りです。
衆議院
衆議院の権限については以下の通りです。
財政・予算
衆議院は財政や予算案に関する権限を有しており、予算案の審議・採決を行います。
法律制定
衆議院は法案の審議・採決を行う権限を持ち、法律を制定する役割を果たします。
内閣の信任
衆議院は内閣の信任を得ることが重要であり、内閣総理大臣や閣僚の信任投票を行います。また、内閣総理大臣を選出する権限も持っています。
参議院
参議院の権限については以下の通りです。
法案審議
参議院も衆議院と同様に法案の審議・採決を行いますが、衆議院の「優越権」により、衆議院で否決された法案を再度審議して可決することができます。
外交・国際条約
参議院は外交政策や国際条約に関する審議権を有しています。特に国際条約の批准には参議院の同意が必要です。
内閣の解散権限
参議院は解散権限を持っていないため、衆議院の解散要求に対してのみ解散が行われます。
解散権
衆議院と参議院の「解散権」の違いは以下の通りです。
衆議院の解散権
衆議院では、内閣総理大臣が衆議院を解散する権限を持っています。内閣総理大臣は、衆議院の解散を決定し、新たな総選挙を実施することができます。
参議院の解散権の制約
参議院には解散権がありません。参議院は衆議院の解散要求に対してのみ解散が行われます。つまり、参議院は独自に解散する権限を持たず、衆議院と同じように内閣総理大臣が衆議院を解散する必要があります。
信任投票
衆議院と参議院の「信任投票」の違いは以下の通りです。
衆議院による内閣の信任投票
衆議院では内閣総理大臣や閣僚の信任投票が行われます。内閣が不信任決議を受けると、内閣は総辞職し、解散総選挙が行われることがあります。
参議院の影響の制約
参議院での不信任決議は通常、内閣の崩壊には直接的な影響を与えません。参議院で不信任決議が可決されても、内閣は続投することがあります。
そのため、参議院での信任投票は衆議院ほど政権の存続に直接的な影響を与えない場合が多いです。
「一院議決・二院協議
衆議院と参議院における「一院議決・二院協議」の違いは以下の通りです。
衆議院(一院議決)
衆議院で可決された法案や予算案は、参議院の同意なしに成立します。つまり、衆議院が単独で法案を可決することができます。
参議院(二院協議)
参議院で可決された法案や予算案は、衆議院でも再度審議され、衆議院でも別途可決される必要があります。これを「二院協議」と呼びます。
衆議院で再度の審議が行われるため、参議院で可決された法案が直ちに成立するわけではありません。
定数の変更
衆議院と参議院の「定数の変更」の違いは以下の通りです。
衆議院
衆議院の定数は、法律によって定められており、必要に応じて変更されることがあります。人口の変化や政治的な必要性によって、定数が見直されることがあります。
これは、選挙区の増減や比例代表議席の割り当ての変更などに反映されます。
参議院
参議院の定数は、衆議院の半数に基づいています。そのため、衆議院の定数が変更されると、参議院の定数もそれに応じて変更されることがあります。しかし、参議院単独での定数変更は行われません。
首相の解任権
衆議院と参議院の「首相の解任権」の違いは以下の通りです。
衆議院による首相の解任権
衆議院は内閣総理大臣を選出し、必要に応じて解任する権限を持っています。内閣総理大臣は衆議院の信任を得ており、衆議院が不信任決議を可決すると、内閣は解散されるか総辞職することがあります。
参議院の首相の解任権の制約
参議院には首相の解任権はありません。参議院は内閣総理大臣の選出や解任には直接的な権限を持ちません。内閣総理大臣の解任は衆議院の権限であり、参議院はその決定に対して影響力を持ちません。
地方代表の存在
衆議院と参議院における「地方代表の存在」の違いは以下の通りです。
衆議院
衆議院には地方代表としての議員が特に定められているわけではありません。選挙区制度に基づいて各地域から候補者が立候補し、選挙で選ばれた議員が衆議院議員として活動します。
ただし、各地域の事情や地域の利益を考慮して活動する議員もいます。
参議院
参議院には地域を代表する議員が存在します。参議院では地域区という枠組みで選挙が行われ、各都道府県ごとに一定数の議席が割り当てられます。
そのため、参議院議員は地方の利益や地域の声を代表する役割を担っています。
改選タイミング
衆議院と参議院の「改選タイミング」の違いは以下の通りです。
衆議院
衆議院議員の任期は4年であり、解散や総選挙が行われるとそのタイミングで議員が改選されます。任期満了や内閣総理大臣の解散要求によって総選挙が実施され、その後新たな議員が選出されます。
参議院
参議院議員の任期は6年ですが、一度に全議席が改選されるわけではありません。参議院では、2年ごとに議員の半数が改選されます。
したがって、全ての議席が改選されるのは3年に1度です。このように定期的に半数の議員が改選されるため、参議院は「永田制」とも呼ばれます。
地域区と全国区
衆議院と参議院における「地域区」と「全国区」の違いは以下の通りです。
衆議院
衆議院の「地域区と全国区」は以下の通りです。
地域区
衆議院の選挙では、日本全国を小選挙区に分けて各地域から候補者が立候補します。地域ごとに1名の候補者が当選し、この方式によって衆議院議員が選出されます。
全国区
衆議院の選挙においては全国区という選挙区も存在します。ここでは政党名簿に基づいて比例代表で議席が割り当てられ、政党ごとの得票数に応じて議席が配分されます。
参議院
参議院の「地域区と全国区」は以下の通りです。
地域区
参議院の選挙では、各都道府県が選挙区となり、地域ごとに一定数の議席が割り当てられます。各地域区から複数の候補者が立候補し、有権者は地域区で直接候補者を選択します。
全国区
参議院の選挙においては、全国を一つの選挙区として比例代表制が採用されます。有権者は政党名簿に基づいて比例代表に投票し、政党ごとの得票数に応じて議席が配分されます。
まとめ
衆議院と参議院の違いについてご紹介いたしました。お読みいただきありがとうございました。
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