『シャーロック アントールド・ストーリーズ』の主役、シャーロックならぬ誉獅子雄(ほまれ ししお)は犯罪コンサルタントを名乗る名探偵で変人。原作を読んだことのある方ならご存知のとおり、知識はあふれるほどあり、頭が切れる、けれど変人なシャーロック・ホームズが獅子雄のモデルです。「犯罪コンサルタント」を名乗り、警視庁の事件の解決に手を貸す人物。


そして退役軍医のワトソン。縁あってシャーロックの同居人となるこの人物がモデルになっている若宮潤一は、ワトソンと同じく、元・医師。


第7話までストーリーが語られ、なんとなくいい感じにバディものっぽく、信頼度も上がってきたように思えるシャーロック獅子雄とワトソン若宮。


これが『シャーロック・ホームズ』をベースにしている以上、彼らは間違いなくモリアーティこと「守谷」なる人物と対決する運命のはず。


【「シャーロック】考察&今後の展開予想!守谷は宿命のライバルなのか、獅子雄と若宮のバディは永遠なのか!?」と題して、第8話放映直前の今、残り4話でどうなっていくのかを、原作と対比しながら予想してみましょう!
 
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「シャーロック」第7話までのおさらい

考察に入る前に11月18日までに放映された第7話までのおさらいをしておきましょう。
 

アントールド・ストーリーズ

シャーロック・ホームズ原典でも「語られざる事件」として、とある事件の物語が進んでいく中で、ささやかに事件のタイトルと、少し親切であればもうほんの少しだけ概要を語るのみの事件がいくつも出てきます。(なお、シャーロック・ホームズ原典では”The untold Takes”という単語を使っています。)


“untold story/stories”というこの言葉は、ひとつの作品のスピンオフやパスティーシュ、いわば二次創作的に作られた作品ではよく使われるものでしょう。


『シャーロック』というタイトルのドラマの企画が上がったとき、恐らく、いまさら本家本元のシャーロック・ホームズをそのまま邦ドラにして『緋色の研究』だの『パスカヴィル家の犬』だのをするより、「語られざる事件」として名前があがっている事件名から想像豊かにストーリーを考えるほうが、作る側も観る側もワクワクすること間違いありません。


これまでにも多くの「語られざる事件」を題にとって編まれた作品がいくつもありますが、今回の月9『シャーロック』のポイントは、まさに原典から「語られざる事件」を引きつつ、さらにそれを「シャーロックこと誉獅子雄」という天才シャーロックのような男が解決する事件という二重に二次創作に仕立て上げた面白味があるわけです。


原典の中には、100件以上の「語られざる事件」が数えられるとも言われています。その中から、以下に、月9『シャーロック』で題材に取られたものを述べておきます。(一部、「語られざる事件」以外(つまり語られている事件)の原典作品からキーワードを引いてきたと思われる回もあり)



#1 「アバネッティ家の恐ろしい事件
#2 「ダーリントンの替え玉事件
#3 「グロリア・スコット号」?
#4 「ジェームズ・フィリモア
#5 「マーゲートの婦人事件
#6 「悪名高いカナリヤ調教師ウィルスンの事件
#7 「スマトラの大鼠」「技師の親指


そして第8話では、予告映像に映ったメモ書きの内容から、「赤い蛭」がキーワードと読み取れます。「赤い蛭と銀行家クロスビーの惨死事件」という語られざる事件がありますね。


楽しみに放映を待ちましょう。
 



 

守谷に関わる人びと

今後、登場が待たれる宿敵、モリアーティこと「守谷壬三」と、守谷との関係がほのめかされた登場人物についておさらいです。


#3 市川莉枝子(伊藤歩)
#6 ビデオテープの中の女(堀田真由)


ドラマの中で、守谷と接触を図ったと自分で行っているのは実はまだこのふたりだけ。


#3
市川「警察なんて上に行くことを考えてるやつか、組織に背を向けて愚痴を言ってるやつの二通りしかいない。でも守谷は違う。守谷は、人間とは何かを知ってる。私は、守谷のためだったら何だってできる


#6
女「私、人を殺したんです。あの方に命じられて。渡された薬を飲ませるだけだから、楽だった


そして気になるのが第2話の”聖女”弁護士、青木藍子(菅野美穂)です。



弁護士であり、弱いものを救いたいという主義のもと、しかし実際には殺人を犯してしまい、その戸籍を別の者に与えた「聖女」。


#3の市川の言葉から、守谷は組織という長いものには巻かれる人物ではなく、市川をして「人間を知っている」と言わせる、つまり、人心を操るに長けている人物が想像されます。


そして実際に#6でビデオテープの中の女は「あの方」(=守谷)に言われて、誰かに薬を飲ませて殺しを実行したわけです。


#2の青木もまた、もしかしたら守谷に何かを吹き込まれて道を踏み外したなんていう伏線があったら面白いと思いませんか。


ちなみに青木藍子が最後に呟いたセリフを見ておきましょう。


青木「虫けらでも、助ければ少しは私も救われるかと思ったけど・・・


こうなってくると、全話で、犯罪を犯した人物が守谷となんらかの関わりがある、という伏線ができていると物語としては美しいのですが、そこまでいくと期待しすぎでしょうか。
 



 

モリアーティと守谷壬三

ここでモリアーティについて原典を少し振り返ってみます。


モリアーティという登場人物、実は原典では4つの長編作品と56の短編作品の中で、モリアーティの名前が出てくるのはわずか6作品のみ。


それなのにモリアーティを描くなどのスピンオフ的なパスティーシュも多く描かれる理由は、シャーロック・ホームズを死に追いやったという人物だからでしょう。


そして、ホームズがモリアーティと共に滝から落ちて死んだとされる原典(コナン・ドイルのシャーロック・ホームズ作品を「正典」と呼ぶそうですが、本記事では原典としています)の『最後の事件』という作品で初めてモリアーティは登場しました。


つまり、ホームズを葬るために登場させられた人物なのです。それゆえになお、多くのシャーロキアン含むシャーロック・ホームズのファンにとっては印象が深いキャラクターとなったのだと思われます。


『最後の事件』で、ホームズはワトソンに、モリアーティなる人物のことをこのように話します。

  • 天才的で驚くべき
  • ロンドン中でこの男の生きのかかっていない場所はどこにもない
  • 犯罪史の頂点
  • 並外れた数学的才能
  • 極端に悪魔的な精神に向かう遺伝的傾向
  • 彼の血には犯罪の資質


ホームズはロンドンの犯罪が、常に闇の組織によって庇護され、警察やホームズの捜査を妨害していると感じていました。


そこで調べ上げたのが、悪魔のようなモリアーティという天才だと言うのです。


さて、ここで「守谷壬三」を見てみましょう。


守谷について出てきた情報はまだわずかです。

  • 警察官である市川が崇拝している
  • 善良な女性が、殺人に手を染めて、かつそれを「言う通りにしたら楽だった」と言わせる

そして、「守谷」という人物への獅子雄の反応を語る若宮のモノローグです。


#3
――まったく正体の見えない守谷という男に、あいつ自身、強烈に引かれ始めていたのだ。
この胸騒ぎはいったい何だろう――


#6
――まるで前世から因縁があったかのように、あいつの心を捉えて離さないやつ――


獅子雄が守谷という人物に強く興味を惹かれている様子が伺われます。


そして当の獅子雄は、第3話でも、第6話でも、この若宮のモノローグの場面では、若宮が口にした守谷の名前に、部屋に吊るしたサンドバッグに拳を叩きつけます。
 



 

予想・今後の展開(第8話直前時点)

第3話で守谷の名前が出たときは、ネット上でも、「おお、もうモリアーティが出てくるのか」という反応が多かったようです。


しかしその後、第4話、第5話と守谷の名前も出てこない回が続き、そして全12回の折り返し地点となる第6話で再び名前、しかもフルネームが出てきたことで、今度は「いよいよこれから守谷との対決か!?」と色めき立つ視聴者たち。


しかしまたもや期待は裏切られ、第7話には守谷は登場しませんでした。
残るは5回。しかし思い出してください。原典では、初登場した話で、モリアーティはシャーロックとともに滝へ落ちて行ったのです。


まさかとは思いますが、最終回でようやく登場し、そして消えていくなんて・・・(ありえる?)。
 



 

守谷は「」か

原典ではホームズがモリアーティを天才と称えながらも悪魔的だの犯罪の資質があるだのと言っています。


月9シャーロックでも、ひとりの刑事をそそのかして犯罪に走らせ、女性に囁いて人を殺めさせる、これはやはり現代においては「」でしょう。


では獅子雄は正義なのでしょうか。悪と戦い、それを正す人なのでしょうか。


俺は真実が知りたいだけだ」獅子雄はいつもこう言ってきました。


ここから先、守谷の影が出てくることで、獅子雄の考え方が変わってくるかもしれませんね。守谷の犯す罪を、もしくは罪を犯させる守谷自身を憎み、守谷の罪を暴こうとしていくことになるのかもしれません。


もしかしたら、獅子雄のあのスクラップブック(第7話で須磨寅のことや、鼠小僧の記事がスクラップされていた分厚い資料)の中には、実はもうすでに守谷の犯したと思われる記事がスクラップされているのかもしれません。


もちろん、第6話までの獅子雄は、それが「守谷壬三」なる名前を持つ人間だったとは知らないままに集めていたということになるでしょうけれど。
 



 

獅子雄と若宮

考えてみれば第1話で若宮を失職させるきっかけを作り、それでいながら、家賃を半分払ってやると言う口実でまんまと若宮の家に転がり込み(ここは原典とは逆ですね。


原典では、ホームズの家に、家賃シェアの希望があったワトソンがやってきますから)、そしてなんのかんのとなし崩しに「犯罪コンサルタント」の仕事を手伝わせている(若宮へなにがしかの報酬を払っているのでしょうか、獅子雄)、それでいて、なんとなくいい感じの相棒っぽくなりつつある獅子雄と若宮。


ドラマの最後に流れるしめくくりの若宮のモノローグですが、第1話と第2話では日付を言っていました。第1話が10月7日で第2話が10月14日。


これはドラマの放映日でもあるのですが、もしこの法則でずっときているのであれば、第7話は11月18日ということになりますし、最後の12話が12月23日ということになるのでしょう。


ということは、これは彼らの3か月間の同居&相棒生活のお話となる、と思われます。


#1
――10月7日。
友人を失った僕の前に現れたのは、正体不明の危なっかしい男だった。
果たしてこれを「出会い」と呼んでいいのだろうか?
万一に備えて、記録を取ることにする。
もし僕に何かあったときは、この資料の公開を許す。
彼の名前は誉獅子雄、僕は若宮潤一 ――。


若宮のモノローグは、ストーリー冒頭でその物語への追想のような内容が語られ、エンディングではストーリーの辛みを含め、獅子雄との関係性についてと思われる内容を呟いているようです。


第1話の「もし僕に何かあったときは」という言葉が気になりますよね。


原典ではホームズのほうが死んでしまうことになっていましたが、もしや月9シャーロックでは、若宮が?という不吉な予感もはらんでいるようなモノローグです。


第5話は、オープニング、エンディングともに、この原典ホームズの死がこの月9シャーロックの展開にもなるのではないかと思われるようなモノローグでした。


#5
――亡きがらがなければ、医学的にも死は認められない。
だから愛する人が姿を消したとき、
僕らは永遠に待ち続けてしまうんだ――



――命は死によって終わる。
事件は真相が分かれば終わる。
この男と僕の関係にもいつか終わりは訪れる。
それはどんな終わりなんだろう。
少なくとも幸せな結末ではない。
そんな気がした――



そのものずばり、守谷の名前が出た直後のモノローグはこうでした。


#3
――あいつが なぜ 答えないのか、僕には分かった。
まったく正体の見えない「守谷」という男に、あいつ自身、強烈に引かれ始めていたのだ。
この胸騒ぎは、いったい何だろう?――



#6
――カナリア調教師は逮捕されたが、この事件は思わぬ人物の記憶を蘇らせた。
『守谷 壬三』
まるで前世から因縁があったかのように、あいつの心を捉えて離さないやつ――


守谷壬三という人物の登場への期待はこうして視聴者の中で膨らんでいきます。


原典では、モリアーティが企み、自分の手を汚さずに誰かを使って犯させてきた罪をホームズが暴くことで、モリアーティの犯罪を間接的に潰してまわったということ、そしてホームズがそれを調べ上げてモリアーティの仕業だと把握している、という点でモリアーティがホームズを殺しにやってきました。


現代の東京で、守谷は果たしてどのような脅威として獅子雄や江藤たちの活躍に陰を落としてくるのでしょうか。


第3話の市川の言葉からは、もしかすると警察内部に守谷が入り込んでいるのかも、という想像も膨らみます。


悪、あるいは悪の組織を率いているのが守谷であることは間違いないのですが、ここでポイントになってくるのは恐らく、獅子雄という人間のとる行動でしょう。


俺は真実がわかればいい


つまり、獅子雄の性格では、人の心を操って犯罪を犯させるというあくどいことをしているらしき守谷に対して、その罪が許せず義侠心にかあれるという流れでは公言している性格に矛盾してしまうのです。


原典のホームズがモリアーティという人物を丹念に調べ上げていたうえで対決したように、視聴者や若宮にとっては最近になって知った守谷という人物ですが、獅子雄にとっては執着をみせる対象となるからには、やはり獅子雄も実はすでに守谷という人物の存在について、(名は知らなかったのだとしても)何か気づくことがあり、探し求めてきていたのではないでしょうか。


残り4話、最終話では守谷との対決の話となることは避けられないでしょうから、その前3話で、どこまで獅子雄の執着をみせるエピソードが出てくるかが楽しみですね。


そして、当然、これだけ若宮が気にかけている獅子雄と若宮の今後。よくわからない同居生活とそれにおまけでついてきたような相棒生活は、いかにもなりゆきであやふやなところがあり、若宮は獅子雄から直に相棒認定されたわけでもありません。


それゆえ、若宮にすればこの獅子雄という人物がいつまたふいと消えてしまうかという不安を抱いているわけです。第7話で少年虎夫と話していた獅子雄が、虎夫が振り返った瞬間、姿がなくなっていた演出は、この獅子雄という人物の存在の不確かさが表現されていたのかもしれません。


最終回、若宮の前から獅子雄が消えてしまう、多くの視聴者がそんな展開を予想しているのではないかと思います。
 



 

おわりに

第8話が放映されれば1クールの3分の2が終わろうとしているところですが、獅子雄に推理を任せ、すっかり頼っている江藤という人物についてもまだ知れている部分は多くありません。獅子雄と非常に密な関係にあるように見せていますが、果たして獅子雄という人物の何を江藤は知っているのでしょうか。


第7話では小学校時代の回想があったわけですから、獅子雄という人物にもきちんと戸籍があり、これまでの人生が存在していることはなんとなくわかりますが、残りの話の中で、獅子雄がどうして今の「犯罪コンサルタント」になったのかが描かれるといいですね。


最終回に向けて、「守谷と獅子雄」、「獅子雄と若宮」、このふたつの軸で物語が盛り上がってくれることを期待します。
 
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